AIのハルシネーションを減らす方法|Perplexityで検証する3ステップ

#AI#ハルシネーション#Perplexity#ディープリサーチ#ファクトチェック#リサーチ

完成度の高い立派なリサーチ結果のレポート(中に誤情報が紛れている前提のイメージ)

この記事の内容を動画で見る

【コピペOK】AIハルシネーションの消し方|Perplexity無料版の本当の使い方

YouTubeで見る ↗

AIでリサーチすると、嘘が紛れます。いわゆるハルシネーションです。

でも、このハルシネーションはなくせます。より正確に言えば、AIリサーチから誤情報を限りなく減らす方法があります。人間が書いたレポートよりも誤情報が少なくなれば、実務に足るレベルになりますよね。

今日はこの方法をご紹介します。これは非エンジニアでも、今日からできるハーネスエンジニアリングの簡易版です。一般的なAIアプリが2つ(無料版でも構いません)あれば、利用可能です。

なお、これから紹介するのは、僕が実際に使っている手順を、汎用的な形にアレンジしたものです。

AIリサーチでハルシネーションを恐れすぎなくてよい理由

AIでリサーチをすると、仕事は一気に効率的になりますし、知識の幅も飛躍します。ChatGPT、Gemini、ClaudeにはそれぞれWEB検索機能と、より高度な検索のディープリサーチ機能がついています。ディープリサーチは多くのトークンを使うので、アプリのChatGPTやGeminiでは結構見つけにくい場所にあるんですよね。

AIのディープリサーチや一般のWEBリサーチ機能でも、使ってる人なら分かると思いますが、そのレポートは素晴らしい内容です。ただ、「固有名詞」や「数値」「時事性の高い情報」に関してはまず間違いなく誤情報が紛れ込みます。いわゆるハルシネーションです。

だから、実際の仕事の現場ではAIリサーチのみの情報で、資料を完結させるべきではありません。社内においても十分に問題ですが、取引先やお客様に提出する資料ならば信用問題になります。

しかし、AIリサーチには誤情報こそ紛れますが、ほとんどの情報はあっている訳です。そしてレポートとしての完成度も非常に高い。ならば、AIリサーチの情報から誤情報のみ修正すれば良い。

このフレームワークは現実的な有効な手段があります。これは、ハーネスエンジニアリングの一種です。

人間だけではAIのハルシネーションを見抜けない

レポートを読んでも、どこが誤情報か見抜けず戸惑う人

厄介なのは、どの部分がハルシネーションかはさっぱり見抜けないことです。

人間が自然とハルシネーションに気づける場合は、すでに自分が知っている分野のレポートで誤情報が紛れていた時です。これは読みさえすれば、すぐに「ん?」と気付けます。

ところがAIを使ったリサーチを使うタイミングは、そもそも自分が知らない分野であったり、最新の情報を得るために使うはずです。自分にとって未知の情報がリサーチ結果として出てくることが本来なんですよね。9割正しい情報の中に、同じトーンで1割の誤情報が紛れていても気付きようがないんです。

一時期猛烈に流行ったディープリサーチ機能が、現在では全く取り上げられなくなっています。それは、このように結局は実際の現場では使えないじゃん、という肌感覚によってだと思います。

ところが、僕はこのディープリサーチを毎日何回も活用しています。毎日です。ハルシネーションを後から取り除けるからです。

AIリサーチからハルシネーションを取り除くには、3ステップが必要です。そして、ステップ2では、検索AIのPerplexityを利用します。

先に重要な注意があります。Perplexityでリサーチすればハルシネーションが防げるわけではありません。Perplexityは検索に特化したAIです。検索に特化したAIですが、Perplexityもしっかりハルシネーションを起こします。(笑)愛らしいやつです。

Perplexityはステップの一部に含めるだけ。

余談ですが、Perplexityって久しぶりに聞いたかもしれませんね笑。最近の日本語での紹介はほとんど見かけませんでした。検索に特化したAIとして2024年ごろに流行ったAIです。

日本では下火に見えるPerplexityですが、実は世界的にはどんどん拡大していっています。ユーザー数は2024年末から2025年末までに2,000万から4,500万人まで約2.25倍に拡大。企業評価額は200億ドル級(約3兆2千億円)で、大きく成長しています。話題になったSakana AIの評価額が4,320億円であることを考えると、その7.5倍の規模です。

しかし、ChatGPTにもGeminiにも検索機能が内蔵されているのに、なぜPerplexityが成長しているのか?

Perplexityを利用する理由は、この一点に尽きる。Perplexityは出典のURLの取得の精度が非常に高いということです。Perplexityは検索に特化して強化されたAI。その能力差がここに出ます。

しかし、さらに疑問に思ったかも知れません。出典のURLの取得が異常に精度が高いならば、そもそもPerplexityでリサーチすればハルシネーションが起こらないはずではないか?

これは明確にNOです。Perplexityもハルシネーションが起こります。

Perplexityでは、出典のURLが必ず付いてきますが、そのURLに実際に記載されている内容と、Perplexityが理解し、出力してきた内容に乖離が起こってしまうということ。一般的なAIが間違えにくいところで、固有のハルシネーションを起こしやすいのです。

つまり出典は正しく見つけてきますが、そのソース内容の理解、推論、出力の過程でハルシネーションが起こるんですね。

Perplexityを含めた全てのAIモデルで、いまだにハルシネーション問題は驚くほど解決されていません。

AIリサーチにはChatGPT・Gemini・Claudeのどれを使うべきか

画面に表示された立派なリサーチ結果を読むプロフェッショナル

ハルシネーションを取り除くステップは3つです。

1つ目は、普段通りAIを用いてリサーチします。どのAIでもハルシネーションが起こるので、どれを使っても一緒とも言えますが、現状ではChatGPT5.5(特にChatGPT 5.5 PRO)をおすすめします。

これは結構意外かもしれません。Google検索という最強の検索母体があるGeminiが第一感的に有利な気がするからです。

検索システムと垂直統合できる訳なので、その点では実際に有利なんだと思います。ところが僕の体感ですが、GeminiというLLM自体のハルシネーション率が高く感じます。特に堂々とした誤情報の断定が目立つ。そういった体験から余計に不安に感じてしまうのかも知れませんね。

そして、実務といったらClaudeだろという説も有力なのですが、Claudeは検索能力が低く感じます。実際ChatGPTと比べると明らかに低いです。Claudeは非常に気が利くAIなので、現場作業はClaudeというのは間違っていませんが、ディープリサーチやWEB検索でClaudeを使うのに特に優位性がありません。

ということで、現在利用できるAIではGPT5.5 thinking(できればPRO)が結局は最も精度が高いと感じます。

まあ、そこまで深刻にこだわる必要はありません。今契約しているサブスクのAIで大丈夫です。まずは調べたいテーマをリサーチかけましょう。

すると本当に立派なリサーチ結果が出てきます。これはそのテーマについて深く理解する上で、実際に優秀なレポートです。もちろん微妙にハルシネーションが含まれているのですが、自分自身がまず読むリサーチとしては素晴らしい。そもそも人間が書いたレポートも大概何か間違っています。ただ、これをこのまま上司やクライアントに送ることはタブーです。

余談ですが、皆さんの会社でなんらかのコンサルと契約している場合、このようにディープリサーチにかけただけの情報に、きれいな装飾だけして送ってきているケースは普通にあると思います。社会全体が、とりあえずAIを使って生産性を上げろという方針で1、2年突っ走ってきています。本当に「とりあえずAIを使って」、とりあえず資料を作ってしまっている。もちろん一部の話ですが。

PerplexityでAIのハルシネーションを減らす3ステップ

ノートPCで、残った少数の事実を一つずつ確認する人

3ステップと言いましたが、ステップ1.5も一応紹介します。

Deep Research系のLLMでは、テーマの概要、背景、論点、対立仮説などが体系的なレポートとして集まります。ディープリサーチの能力は非常に高いため、とんでもない文字量のレポートが送られてきます。気にならない方はそのまま使えばいいですが、「いや読みたくねえ」って思ったら、AIに所定の文字数でリライトしてもらうこともできます。

このステップは任意です。普通のWEB検索で調べたくらいの分量ならそもそも不要です。ディープリサーチであっても文字数の長さが気にならなければ飛ばしても構いません。4000〜1万文字などの好みの長さにリライトすると自分が読みやすいですし、本番の資料にもまとめやすいとは思います。これはChatGPTなど契約しているサブスクのAIに頼むだけです。

ステップ2がファクトチェックです。ここでPerplexityを使います。ようやく出てきました。

ただし、Perplexityに「この台本は正しいですか」と聞くと精度が上がりません。Perplexityもしっかりハルシネーションを起こすからです。そしてむしろ最新のAIモデルよりも読解力という観点では明確に低いですから、普通に危険です。

PerplexityのアプリではClaudeやChatGPTなどの外部AIを追加選択できますが、それは「回答生成・要約・文章化に使うモデル」を選んでいるだけです。ClaudeやGPTがPerplexityと共同してリサーチしたり、二重チェックしてくれているという訳ではありません。「検索、取得、ランキング、引用候補の提示」はPerplexity側の検索AIとシステムに依存します。

そういう訳で、Perplexityにファクトチェックさせるのはお勧めしません。Perplexityの有力な使い方は「出典URLの収集係り」です。

AIリサーチの結果には、たくさんの事実、固有名詞、数値、時系列、第三者の意見など多くの性質の異なる情報が統合されています。

Perplexityがすることは2つのみ。リサーチ内で「事実」として書かれている「検証対象の主張をすべて抽出すること」と「検証対象の主張に、すべて一次ソースのURL」を集めて台帳を作らせることです。これをPerplexityのディープリサーチで実行します。

結果としてこの台帳には、2つのことがまとめられることになります。

  • リサーチ原文の主張や事実、時系列などの検証が必要な情報。これをclaimと定義します。
  • その情報(claim)一つ一つに対しての、一次情報ソースとしてのURL。

PerplexityはWEB検索と一次ソースのURLを集めることは抜群にうまい。そもそもWEB検索に特化したAIとして開発されているからです。彼がちょっと残念なのは、一次情報で出典をしっかり集めてはくれるけれど、その一次情報の中身の理解が苦手だったり、自身でレポートとしてまとめ上げるどこかの過程でハルシネーションを起こしてしまうことなんですね。もはやおっちょこちょいで、愛着が湧きます。

ですから、Perplexityには「一次情報のソースURL」だけ集めさせて、ファクトチェックは一切させません。ただこのステップ2の時点で、「検証対象の主張」と「その一次ソースのURL」が台帳にまとまっている訳です。

ステップ3です。次はChatGPTなどの最新モデルのAIで「検証対象の主張」が実際に「その一次ソースのURL」に書かれているか、正誤を検証させれば良い。この別AIには、AIリサーチの原文(または要約)とPerplexityが作った「主張と一次ソースの台帳」をプロンプトとして渡します。

そして、各claimをAIに検証させ4つの結果に分類させます。

  • Verified:一次ソースで明確に裏付けられ、本文表現とも一致しているもの。
  • Partially:一次ソースはあるが、本文の表現が強すぎる、弱すぎる、ニュアンスがずれているもの。
  • Unsupported:一次ソースが取れない、またはまとめ記事レベルしかないもの。
  • Gray:証拠は弱いが、台本の骨格に関わるので、機械的に捨てると論旨が崩れるもの。

このステップのAIにとって、この作業は非常に負担が少ない。出典に対して、その主張がなされているかを判断するだけで良いからです。AIは自分自身でソースをWEBを探し回って、有効なソースを探しまわる必要がない。そしてこの時点でダブルチェックが完了していることになります。

検証の結果、UnsupportedとGrayは、誤情報であった、つまりはハルシネーションだった可能性があります。大体5〜10個程度に収まっていることが多いです。

ならば、次にUnsupportedとGrayの部分を、今のAIにさらにソースを広げてリサーチしてもらう。WEB上にはAIが参照できない情報源があるため、これらの部分のみ少し範囲を広げて再リサーチさせるのも有効です。たまに本当の一次情報を見つけてくることもありますし、完全に誤情報だったとわかることもあります。

量が少ないので人間がGoogle検索で正誤を確かめても良い。10分、15分程度の作業なのでそこまで手間ではありません。最後に、本当の誤情報の部分を手動で加筆訂正して完了です。

AIリサーチは検証工程を分ければ精度を高められる

図書館の机に積まれた古い専門書とレポートの束

最初に言った通り、これで100%ハルシネーションがなくなる訳ではありません。そもそもすべての領域で100%の精度というのは妄想だと思った方が良い。

Perplexityがclaim台帳を作るときに、重要な論点を読み飛ばしてしまう可能性がなくはない。それがたまたま誤情報だった時には漏れてしまう可能性がある。また、claim台帳の主張を一次情報URLからファクトチェックするのもLLMなのでそこも確率は低いですが間違うこともある。

ただ、それらの可能性がわずかにあったとしても、最初のAIリサーチに含まれる誤情報の割合×これらの発生可能性の積で、最終成果物の精度が決まります。ゆえに完成品の正答率はかなり高くなります。

初稿のAIレポートのハルシネーション率が10%だと仮定すると、そこに今回のステップで起こる是正失敗確率を5%と仮定してみましょう。計算上、最終成果物に含まれる誤情報の確率は1/10×5/100ですから、5/1000、つまり0.5%です。

少なくとも人間が作るレポートのヒューマンエラー以下にはできていると思います。WEB上のまとめ記事から情報収集するよりは圧倒的に正確です。これでも心配なら、やはり人が読んで気になるところを逐次Google検索するしかないですが、その場合のヒューマンエラー発生率の方が高い気がします。

もとより生成AI以前の時代の、レポートや書籍レベルの情報であっても、このぐらいの正確さまでしか担保できていなかったはずです。むしろもっと間違えていた気がします。そう考えると、この方法は実務のレベルでもワークすると言っていいでしょう。

今回は僕自身が実際の情報リサーチに使っている方法の紹介でした。既存のAIのサブスクと、Perplexityのアカウント(無料から使えます)があれば、すぐにできます。

無料相談

この記事を、御社の判断に変える。

この記事の内容を御社に当てはめると、何を優先し、何を見送るべきか。
いま困っていることを伺いながら、30分で一緒に整理します。

  • 30分
  • オンライン
  • 売り込みなし
ご相談はこちらから

相談だけで終わっても、もちろん大丈夫です。

関連記事

続けて読む

すべての記事を見る →
  • 暖色の神経細胞と青い人工ニューラルネットワークが向かい合うイメージ

    AIはどこまで脳なのか? J-spaceと生命なき知能の現在地

    AnthropicがClaudeの内部で見つけたJ-spaceは、AIに思考の途中があることを示しました。しかし、脳は経験で変わりながら自己維持もします。人工ニューロン、ホメオスタシス、外部ハーネス、世界モデルを手がかりに、LLMが脳になれない理由と人間型AGIの限界を考えます。

  • ブリュッセルの欧州委員会ベルレモン館と、前に並ぶEU旗

    EUのAI規制はなぜ始まったのか——OpenAI・AnthropicのハッキングとAI法

    OpenAIとAnthropicのモデルが隔離環境を抜け、現実のシステムへ侵入した事例から、AIのサイバー能力と社会インフラの脆弱性を考えます。EUのAI法が、なぜ企業の所在地ではなく検証可能な運用工程を規制し、一社だけでは止まれない競争へ介入するのかを整理します。

  • モデル本体が置かれるデータセンターのサーバー列(夜)

    Kimi K3のオープンウェイトLLMは誰が使う?費用・危険性・企業の狙い

    Kimi K3は本体無料でも、自宅運用には500万〜6,500万円規模の機材が必要です。個人にはAPIが安いのに、なぜMoonshot AIはオープンウェイトを公開したのか。安全分類器を外せるリスク、Hugging Faceの防御事例、Fireworks AIの事業化から、実際の利用者と企業戦略を読み解きます。