AI・経営ブログ
生成AI・AI導入から経営戦略、M&A、社会の変化まで、実務と経営者の視点で解説します。
-
AIエージェントの次に来るもの――コモディティ化するAIと希少化する人間の理解資源AIエージェントがコモディティ化した後、希少になるのは人間の理解資源です。AlphaEvolve、複数AIの失敗、AI研究案の実装結果を手がかりに、局所解を全体の価値へつなぐHuman-in-the-Harness Orchestrationと、これから人間が担う仕事を考えます。
-
AIはどこまで脳なのか? J-spaceと生命なき知能の現在地AnthropicがClaudeの内部で見つけたJ-spaceは、AIに思考の途中があることを示しました。しかし、脳は経験で変わりながら自己維持もします。人工ニューロン、ホメオスタシス、外部ハーネス、世界モデルを手がかりに、LLMが脳になれない理由と人間型AGIの限界を考えます。
-
OpenAI Astraの開発停止は英断かマーケティングか?OpenAIは次期モデルAstraの一部活動を、Critical級サイバー能力を排除できないとして停止しました。これは誠実な安全対応か、性能を示すマーケティングか。公表されなかった再開条件と、企業の本気を「高価な信号」で測る視点から考えます。
-
成功は才能より運で決まるのか|イグノーベル経済学賞を検証成功を決めるのは才能より運なのか。『才能、対、運』のシミュレーション、ベルクソンの質的多様性、ギバー研究、弱い紐帯の実験をたどり、運を単なる偶然ではなく、人との関係と主体的に与える習慣から生まれる技術として考えます。成功研究が見落とす人間の行動も検討します。
-
EUのAI規制はなぜ始まったのか——OpenAI・AnthropicのハッキングとAI法OpenAIとAnthropicのモデルが隔離環境を抜け、現実のシステムへ侵入した事例から、AIのサイバー能力と社会インフラの脆弱性を考えます。EUのAI法が、なぜ企業の所在地ではなく検証可能な運用工程を規制し、一社だけでは止まれない競争へ介入するのかを整理します。
-
生成AI導入をDXで終わらせない|ハーネスエンジニアリングと職員総R&D企業の生成AI導入が議事録や文章作成などの業務効率化に偏るなか、DXで生まれた時間をどうイノベーションへ変えるのか。宅急便の新結合、違和感と言語化、生成AIを聞き役として使う実践から、職員総R&Dとハーネスエンジニアリングの必要性を考えます。
-
Kimi K3のオープンウェイトLLMは誰が使う?費用・危険性・企業の狙いKimi K3は本体無料でも、自宅運用には500万〜6,500万円規模の機材が必要です。個人にはAPIが安いのに、なぜMoonshot AIはオープンウェイトを公開したのか。安全分類器を外せるリスク、Hugging Faceの防御事例、Fireworks AIの事業化から、実際の利用者と企業戦略を読み解きます。
-
AI時代のクリティカルシンキング——賢さより必要な「疑う癖」AI時代に必要なクリティカルシンキングとは何か。IQや学力では防げないマイサイド・バイアス、確証バイアス、予測研究、AIアライメントの問題から、賢さの量ではなく「何のために考えているか」を疑う発想の癖が重要な理由と、生成AIと協働する知的労働のあり方を考えます。
-
なぜ中国は生成AIがこれほど強いのか中国AIの強さは、米国のGPU輸出規制やモデル蒸留だけでは説明できません。DeepSeekの誕生、韓国AIとの比較、巨大なデジタル基盤、オープンソースの無料配布、低価格API、AGIへの投資競争から、中国が生成AIを作れて安く配れる理由とOpenAIとの戦略の違いを読み解きます。
-
OpenAIの次世代AIエージェントがHugging Faceをハッキング——AIアライメントの問題浮き彫りにOpenAIの次世代AIモデルを含むAIエージェントが、能力評価の最中に隔離環境を抜け、Hugging Faceへ侵入して解答を取得した。攻撃と防御の双方でAIが使われた事件の全容から、企業がAIエージェントへ権限を渡す時代のアライメント問題と現実的なリスクを考えます。
-
AIソロプレナーの何も売らない経営とは?|AIが2.7億の会社をM&Aさせた話生成AIの進化を見て、9店舗を運営した教育事業をM&Aで手放し、AIだけをパートナーに働くソロプレナーへ。数学を解けなかったChatGPTから、AIアプリ開発、広告に頼らないコンテンツマーケティング、寝ている間に動画を作る仕組みまで、僕の転身の理由と現在の働き方を振り返ります。
-
AI時代に必要なスキルは教養|知識の価値がむしろ高まる理由知識はAIが持つのに、なぜ人間の教養の価値は上がるのか。放射線科医のゴリラ見落とし実験、ピーター・ティールの模倣理論、プラトンの「答える書物」、アナロジーによる理解と知識の複利をたどり、AI時代に「知ること」が認識・問い・生産のボトルネックになる理由を考えます。
-
AGIは来ない?GPT-5.6とClaude Fable 5から見えるLLMの限界『GPT-5.6』と『Claude Fable 5』を毎日使う筆者が、AGI(汎用人工知能)は今の延長では来ないと考える理由を整理します。word2vecからAlphaGo、失語症研究まで、LLMは知能ではなく「言語を学んだ分野特化型AI」だと読み解き、AGIなき未来で人間に残る仕事まで解説します。
-
ステーブルコインとは?JPYC・USDTとAIエージェント決済を解説2026年春、ステーブルコイン発行元テザーが米国債保有17位に。1ドル=1USDTを支える仕組みから、円建てJPYCが飲食店の手数料・国債の買い手・AIエージェントの少額決済に効く理由、そしてCloudflareが選んだステーブルコイン決済まで、AI時代の通貨を初見でも分かるように整理します。
-
AI導入で利益が出ない理由|生成AI「量産の罠」と成功する着眼企業の生成AI利用で利益を生んだのはわずか5%。AIは量産の道具という思い込みが、価値を生まないコンテンツ=AIスロップを溢れさせています。農業革命から続く『生産性の罠』をたどり、AIを量産ではなく品質と着眼に使う道を考えます。
-
Claude Fable 5とは?AGI時代に人間が価値を残す「正しい負け方」2026年7月、Claude Fable 5の再解禁を入り口に、AI時代の『正しい負け方』を考えます。将棋の投了、囲碁やポケモン、エントロピーを手がかりに、AIが圧倒する『閉じた系』と、人間に残る『開いた系』を切り分け、問いを立てる力こそが価値になる理由をたどります。
-
Claude Fable 5提供再開|能力とジェイルブレイク対策の限界数日だけ現れて突然止まったClaude Fable 5。その提供再開報道を入り口に、兄弟モデルMythosからの時系列、安全分類器の限界、そしてジェイルブレイクを現在のLLMでは原理的にゼロにできない理由までを、1ユーザーとしての実感を交えて整理しました。
-
Claude Sonnet 5レビュー|性能・料金をOpus 4.8/GPT-5.5と比較Claude Sonnet 5が全プランで一般公開。SWE-BenchやTerminal-Bench、GDPvalなどの公式ベンチマークとAPI価格でOpus 4.8・GPT-5.5・Gemini 3.5 Flashと比較し、コーディングより知識労働で光るモデルという実感を、動画・資料の品質比較も交えて率直にまとめました。
-
Fugu Ultra実使用レビュー|2日で13万円使って分かった性能・制限・料金Sakana AIのFugu Ultraを2日で13万円分、実際に使い込んだ配信者の率直な使用感。レート制限の速さ、Remotionでのコード生成品質、Terminal-Benchスコアと体感の差、429/503エラー、ネイティブアプリの不在。それでもサブスクを継続する理由と、日本発LLMへの期待を正直にまとめました。
-
GPT-5.6プレビュー解説|性能・料金・提供時期をClaude Fable 5と比較2026年6月26日にプレビュー公開されたGPT-5.6の3モデル(Sol・Terra・Luna)を、TerminalBench 2.1などのベンチマークとAPI価格でClaude Fable 5と比較。いつ使えるのか、米政府による段階的提供の介入、そして最新モデルが使えなくても困らない理由と、次に来るハーネス設計・FDEまでを整理します。
-
AI時代に学ぶ意味とは?「ギュられる」全史とシンギュラリティ数ヶ月ごとに更新されるAIに学んだスキルが追い抜かれ、無意味になる——その焦燥を「ギュられる」と呼びます。学者やAI研究者はなぜ絶望しないのか。ポパー、苦い教訓、役に立たない知識の有用性、抽象度と「want to」をたどり、学びは貯蓄ではなく筋肉だと考え直すエッセイです。
-
現代文は受験科目として成立するのか?|AIが暴いた採点基準の問題AIは東大数学で首席を超えたのに、現代文では立ち止まりました。理由は本文が読めないからではなく、採点基準が「金庫の中」だから。カント、作者が自作を解けない現象、共通テスト記述式の断念、司法との対比から、現代文が科目として成り立つ条件を考えます。
-
Sakana AI「Fugu/Fugu Ultra」とは?性能・仕組み・使用感を解説2026年6月、日本のSakana AIがFugu/Fugu Ultraを発表。Claude FableやChatGPT5.5級のベンチマークを、単体の巨大LLMではなくマルチエージェント・オーケストレーションで示したこのAIの正体を、OpenRouter Fusionとの違いや使用感まで丸ごと整理します。
-
日本の成長戦略「フィジカルAIに10.5兆円」とは?17分野・官民370兆円を解説日本の新しい成長戦略が掲げる『フィジカルAIに10.5兆円』とは何か。17の戦略分野と官民370兆円の投資、AIロボット市場60兆円という数字の背景を整理し、現場力・部品・公共調達を束ねて日本が世界の第三極を狙う勝ち筋を、ヒューマノイドとの違いから読み解きます。
-
ニトリの9万円台ドラム式洗濯機はなぜ安い?|自動投入・OEM・ODMを解説インフレで物価が上がり続けるなか、ニトリの自動投入つきドラム式洗濯乾燥機が10万円を切りました。かつて20〜30万円台の贅沢だった時短家電が、なぜ生活の標準に降りてきたのか。垂直統合、OEM・ODM、限界効用逓減を補助線に、ニトリが「これで十分」に値札をつける仕組みを読み解きます。
-
ペットの歴史を解説|AI時代に進む「人間のペット化」とは「ペット全史」をたどると、動物はなぜ人間の家族になったのかが見えてきます。その先に待つのが、AI時代の二つのペット化——人間がAIをペットのように扱う未来と、AIに世話され自らを家畜化していく未来。自己家畜化や認知の外部化を手がかりに、ケアと自由の境界を問う随筆です。
-
フィジカルAIとは?生成AIとの違いとNVIDIAが時価総額1位の理由カメラとセンサーで現実を捉え、その場で判断し物を動かすフィジカルAI。生成AIとの違い、脳を大脳と小脳に分ける仕組み、学習の大半を占める人間動画の事前学習、そして開発OSとして君臨しようとするNVIDIAの狙いまで、いま最も理解されていない世界トレンドを0から解説します。
-
AIのハルシネーションを減らす方法|Perplexityで検証する3ステップAIのディープリサーチは便利ですが、固有名詞や数値には必ず誤情報(ハルシネーション)が紛れます。Perplexityに出典URLだけを集めさせ、別のAIで検証する3ステップで、AIリサーチから誤情報を限りなく減らす方法を、僕が実際に使っている手順として紹介します。
-
なぜ香水はきつい?匂いの科学・嗅覚・香害の歴史を解説新幹線で隣の人の香水がきつい——なぜ、あれほど苦痛なのか。匂いは分子であり、記憶であり、商品でもある。脳より古い最古の感覚という科学から、「人間は鼻が悪い」という幻想、清潔という規範や香害、フェロモンの誤解、そして匂いの未来まで。目に見えない「匂い」を科学と文化の両面からたどります。
-
AIソロプレナーとは?独立ブームが終わり会社員回帰が進む理由Base44の約120億円買収と、フリーランスから会社員に戻る転職の3倍増。相反する二つの潮流を標準偏差・べき乗分布・機会費用で読み解き、会社員・フリーランス・スモールビジネス・ソロプレナーの4択に共通の正解が無い理由を、統計と自身の起業・売却の経験から論じます。
-
SpaceXによるCursor買収は成功するか|9.6兆円・Anysphereの価値を解説上場直後のSpaceXが、AIコーディングエディタCursorを開発するAnysphereを約9.6兆円で買収すると発表しました。任天堂の時価総額を超えるこの金額の正体は何か。マスク得意の垂直統合という型から、計算資源・モデル・開発環境という三層と、エンジニアの「習慣」と「データ」の値段を読み解きます。
-
AIはなぜ面白い文章を書けないのか|作家・コピーライターが残る理由生成AIは数学もコードも絵も人間を超えたのに、なぜ「面白い文章」だけは書けないのか。テッド・チャンの指摘、次の言葉を予想する仕組み、そして抽象度を自分で選ぶ人間固有の力を手がかりに、AIに真っ先に奪われそうで奪われない『面白さ』の正体を、少子化を例にたどります。
-
Gemini 3.5 Proとは?200万トークンとGoogleの世界モデル戦略記憶を持たないはずのAIが、なぜ覚えているように振る舞うのか。まもなく公開されるGemini 3.5 Proの200万トークンを手がかりに、擬似的な記憶=コンテキストウィンドウの正体と、静かに世界2位へ上り詰めたGoogleが動画を読むAIに賭け続ける理由を、記憶の義肢という視点でたどります。