AIソロプレナーの何も売らない経営とは?|AIが2.7億の会社をM&Aさせた話
#AIソロプレナー#生成AI#バイブコーディング#コンテンツマーケティング
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序章
2026年5月、僕は創業した会社をM&Aで手放しました。 9店舗を運営していた教育事業です。
理由は生成AIの進化と未来が予測できたからです。 僕は2年前からAIソロプレナーになる準備を進め、実際になりました。
2024年9月、OpenAIがChatGPT o1をリリースしました。 その時に確信したことがあります。 教育事業の競合は、近い将来、ベネッセでも大手予備校でもなく、OpenAIとGoogleになる。 この予想は今でも変わりません。
僕は今、人を雇わず、AIだけをパートナーに、ソロプレナー経営をしています。僕が発信している動画も、僕が寝ている間にAIが編集しています。
AIソロプレナーとは何か? 僕は何がしたいのか?
当時、AIが登場したときの僕の未来予想。 そして、今の僕の働き方の着想について、今回は僕自身のお話です。
第一章 将棋盤も作れなかった
2023年1月、当時のChatGPTは、プログラミングも数学の能力もとても低かった。 僕が初めて、AIにプログラミングを頼んでみた時期です。 簡単な将棋盤のアプリを作ろうと思ったのですが、完成できなかった。
それでもAIがすぐに高度なコーディングができるようになると予測するのは、難しくありませんでした。 2012年からディープラーニングの進化を見ていて、この領域の進化の異常さを知っていたからです。
2024年9月、OpenAIからo1-previewというモデルが出ます。 このモデルは革命が起こっていました。 今まで単純に文字列を打つだけだったAIが「思考」のような能力を身につけていたのです。しばらく考えてから、回答を出力する。 これは「思考の連鎖(Chain of Thought)」という技術です。 簡単に言えば、よく考えてから回答するので、賢くなった。
そしてこのモデル以降、AIは数学ができるようになっていった。
もちろん今のモデルのように、数学オリンピックの金メダル級というわけではありません。 それでも、高校数学の教科書なら半分くらい解ける。 それ以前のAIは、実は数学がまるでできませんでした。 というか算数もできませんでした。3桁+3桁の足し算でかなり怪しい。3桁×3桁の掛け算はほぼ無理。 LLMはそもそも大規模言語モデルなのです。 文章は書けるけど数学はできない、という共通認識がありました。 今では信じられませんよね。
当時は、ChatGPTは文章は書けるし英語もできるけど数学ができないからな〜、という温度感だったのです。
当時、このo1のモデルで、数学ができるようになったことは、僕にとって衝撃でした。 生成AIが数学を解けるようになったら、すぐにやると決めていたことがあったからです。
AIが数学を解け始めたということは、翌年にはほぼ全ての高校数学の問題が解けるだろうという予測が立ちます。 実際、その半年後にChatGPT o3は高校数学をほぼ完璧に解けるようになりました。 さらにその1年後、2026年の東大入試では、OpenAIのモデルが数学で満点を取ります。
僕は、東大や医学部を目指すような学生が集まる予備校を経営していました。
しかし、AIに数学ができるようになった以上、将来の教育事業の競合は、OpenAIとGoogleになるということです。 Googleは近い将来映像で教え出すでしょう。まるで家庭教師のように、その場で、生徒一人ひとりに合わせて。
その未来に備える必要が出た。AIを味方の側に手繰り寄せておかなければならなかったのです。
ならば真っ先にすることは、僕自身がAIを用いたプログラミングを習得することでした。 急激に賢くなるであろうAIを、自社のシステムとして組み込まなければならない。 数学が解けるということは、論理的思考もできるということ。 大規模言語モデルである以上、プログラミング言語を高度に使いこなすようになることも自然な洞察でした。
第二章 未来の技術

AIに日本語で頼んでアプリを作ってもらうという行為は、当時の人類にとって、本当に未来の技術でした。 2024年の冬ごろの話です。
AIでのアプリ開発を勉強すると言っても、その分野には、書籍も、YouTubeも、世の中にほとんど存在しません。技術が新すぎるし、進化が早すぎる。書籍化が間に合うわけがないのです。
取れる手段が、ChatGPTにひたすら尋ね続けるという勉強法のみでした。 そして、これで十分だった。 というか、書籍やYouTubeに情報があったとしても、この方法がおそらく最速だった。
まず、一つ簡単なアプリを作ってみました。 スマホのカメラで写真を撮ると、生徒の英作文を2種類のAIが各々に添削するアプリです。 このアプリの段階で、英文法やスペルミスの添削は、すでにほぼ完璧にできました。 作成に要したのは、多分4、5日くらいだったと思います。 プログラミングをやったことがない僕でもです。
これは、AIと対話しながら、AIが僕の要望に従ってコーディングしたわけです。当時はその行為に名前がありませんでした。今では「バイブコーディング」と呼ばれ、エンジニアリング業界を席巻しています。
そうこうしているうちに、2025年2月24日。Claude 3.7 Sonnetが、Anthropicから登場します。 Anthropicのモデルは、この当時からすでに、コーディング能力ではChatGPTやGeminiよりも圧倒的に高かった。 この登場で、プログラミングができない僕のような人間でも、かなり本格的にアプリが作れるようになりました。
Claude 3.7 Sonnetの登場から1週間後、スマホで写真を撮ると、AIに全教科の質問ができるアプリを開発。
質問に解答するのも中で起動するAIです。そのAIに大学受験の知見や教え方のノウハウをシステムプロンプトとして詰め込めるだけ詰め込みました。
会員登録機能と、データベースへの保存機能を追加。テキストだけだと分かりにくいので、グラフや図解で回答する機能、類似問題を解答解説つきで作る機能など、思いつくものは片っ端からつけました。
自分で何日か使ってみて、知人にも頼んでテストしてもらって、実用に足ることが確認できました。 そして着手から1ヶ月後、3月24日から、自社の学生向けにアプリの提供を始めます。
Claude 3.7 Sonnetは当時は最高の能力を持っていましたが、正直今のAIと比べると、ほんとうにダメなやつでした。(笑)
すごく嘘をついてくるので、初心者の僕は何回もつまずきます。 当時は、おそらく1000回くらいやり取りを重ねて、AIの嘘を見抜きながらのアプリ開発でした。
これが今のClaude Fable 5のようなAIなら間違いなく一度もつまずきません。 1日で完成するというか、API連携やテストまで含めても8時間もかからないと思います。 それだけ現代のバイブコーディングは万能になってきています。 後はやろうと思うか、実行に移すかだけが変数です。
当時、僕が作ったアプリは、作成段階でAIに尋ねて、コードの記述もAIが代行し、リリース後に生徒の質問へ回答するのも、同じAIです。
人間はAIの使い方を着想し、出力を引き出しただけ。
現在のアプリは回答スピードでも正確性でも、人間を圧倒しているのは、言うまでもありません。
第三章 競合は、OpenAIとGoogle
生成AI企業は、世界中の教育産業を取るポテンシャルがあります。 コーディングの次に、AIが得意な領域は教育だと思います。
これは受験教育以外にも資格の学習や研修システムも含みます。 まもなくAIはテキストだけでなく、動画で説明できるようになります。 しかもその場で質問もでき、その一人ひとりの学習状況をデータとして持ち、性格特性まで踏まえた上でパーソナライズできます。
本気になれば今のAIを組み合わせただけでも、できるかもしれません。少し実用に足りないパーツはありますが、既に原型は作れます。
どの科目でも、どの分野でも最高に分かりやすく、映像でやり取りしてくれるAI先生が、スマホの中に入る。 人間の先生のように気分のブレもないし、解答も早くて正確。
僕自身は、AIが数学を解き始めた段階で既に、AIの領域に進むことを決めていました。 2026年5月、自社はM&Aで、現在の親会社に引き継いでいただきました。 僕よりもはるかに実績も才覚もある社長に、引き受けていただけました。 この教育事業自体は、ものすごく大きな可能性のあるもので、まだまだ大きくなっていくと思います。 僕はもう株主でも代表取締役でもありませんが、見守っていきたいと思っています。
僕はたびたび「AGIはこない」と発信しているので、AIアンチと思われていそうなのですが、実際は、AIの可能性をものすごく信じている人間です。
ただ、AIが実際にはどういったもので、どう進化するのかという点に、自身の見解があるというだけです。
そして現在、実際にAIソロプレナーになっています。
第四章 広告とコンテンツの違い

僕は、今、YouTubeの台本ばかり書いています。
前の会社はスモールビジネスとして起業して、雇用もそれなりにしていました。 今回は、一人も想定していません。
スモールビジネスには、集客の問題があります。 学習塾なら、ビラを撒く、ポータルサイトに料金を払う、GoogleやInstagramに広告を出す。そういった広告配信が一般的です。
そして、それらは大抵うまくいきません。 かけた広告に対して、割に合うお客さんが来てくれない。広告負けと呼ばれる現象です。
ただ、それ以上に深刻なのは、人はもう広告に反応しなくなっている、ということです。
「広告疲れ」という言葉があります。 YouTubeの動画の間に広告が出てきて喜ぶ人はいません。 ユーザーにとって広告は、嬉しいものではなく、うんざりするものです。
うんざりするものを大量に送りつけて、お客さんに来てもらおうというのは、筋が通っていない。
だから、スモールビジネスは、広告に頼らない集客ができないと生き残れない。 要は、「ブランド」を作れるか、「リアルな口コミ」を作れるか。この2点です。
ブランドを作るのも、リアルな口コミを作るのも、広義ではマーケティングです。 マーケティングという言葉に、ビジネス臭いというか、売りつけられるような嫌な印象を持つ方もいるかもしれません。ただ実際には、その逆です。
僕の考えるマーケティングは、区切ることです。 自社に価値を持ってもらえる方は、どういう属性で、どういう考えを持つ方なのかを定義していく。
それは裏を返せば、価値を与えられないお客様に、間違っても商品を売ってしまわないようにという配慮です。 価値を感じてもらえない方に商品を売ってしまっては、お客様は不満を持つだけ。それではブランドが育つわけがない。
でも、自社を必要とする人は必ずいる。 そういったお客様と出会えたら、約束する以上の価値を必ず提供する。 ここまでやると、リアルな口コミは間違いなく起こります。 僕は自身の事業では、常にそういった考えでマーケティングをしてきました。
要は、自社を必要としている方を見つけて、想像以上に満足させる。それだけの話です。 そのマッチングの最適化問題が、いわゆるマーケティングだと思っています。
それができれば誰も苦労しないと思うかもしれませんが、現在のテクノロジーでそれは完全にできます。 そして、それができている会社がうまくいっている会社です。
AIソロプレナーにも同様に、マーケティングの問題があります。 スモールビジネスにせよ、AIソロプレナーにせよ、重要なのは広告ではなく、ブランドを作ることです。
ここでは、広告とコンテンツを対比すると分かりやすいです。
広告は、自社プロダクトのプロモーションです。「〇〇を使えば、生産性が二倍になります!」とか、「〇〇の講義を受ければ、偏差値が10上がります!」とか。ああいうもの。今のユーザーはそれをもう見たくない。
コンテンツは逆で、コンテンツ自体が価値を持ちます。 そして価値の高いコンテンツを、見返りを求めずに配信し続けることがコンテンツマーケティングです。 何も売らない。何もPRしない。「価値」を届け続けることに専念するだけ。
それで企業に何の得があるんですか?って話ですね。
実は企業にはものすごくメリットがあります。 これは直ちに会計上の売上にはならずとも、関係性という無形資産を作っているからです。
つまりは「ブランド」の形成です。 ブランドとは、要は、お客様からどのような印象を持たれているかの話に終始します。
嫌なブランドの商品は選ばれないし、好きなブランドの商品は選ばれます。 直接売ろうとしなくても、興味を持ってもらえれば、お客様は自分のタイミングで、自分からそのブランドを調べてくれます。ニーズに合う商品があれば、その時に買ってもらえれば十分です。 その時、そのお客様は、その商品を本当に欲しているからです。
この関係性の構築が、コンテンツマーケティングです。 そしてこの方法は、誰も損をしません。
AIソロプレナーの話に戻りましょう。 例えば、僕はほんとうに有益な情報だと思うことをコンテンツに詰めて、「価値」として配信しています。
僕のコンテンツに興味がない方は、そもそも見ない。見たくない方には届かないので、誰かをうんざりさせることもない。
みなさんがコンテンツを見てくれている。 それだけで、実は僕には十分な資産が形成されています。 関係性という無形資産です。
いいねやコメントをいただけることもありますが、僕にとってはそれが何よりもありがたい。 嘘じゃなく、本当にありがたいです。
まず気持ちとして、驚くほど嬉しい。 そもそも事業として、YouTubeで売上を立てる必要はありません。 売上や利益は資産のごく一部でしかない。 僕がほんとうに欲しいのは、売上ではなく、関係性という無形資産です。
自分が作った「価値」を、他の誰かに見てもらえるということは、現代ではものすごく贅沢な資産だからです。
ソロプレナーの僕にとっては、在庫もオフィス代も抱えていないわけなので、何も困りはしない。
僕は今、自分の知りたい情報をずっと探求できて、AIをずっと現場のレベルで使い続けられる。 これまでの経験や知見、AIの現場の実感、そこに僕の着眼を加えて、コンテンツに「価値」として圧縮して配信する。このループができている。 それには、僕とAIだけあれば事足ります。
これがAIソロプレナーになった理由です。 すごくwin-winなんですね。
第五章 AIソロプレナーのAIの部分を少しだけ

僕が発信している動画も、僕が寝ている間にAIが編集しています。 動画編集は内製のアプリケーションになっていて、全ての動画が、台本から自動で生成されています。
人間用の動画編集ソフトは、使っていません。 Claude Codeで作っています。
もちろん、Claude Codeに「動画にして」と言っただけでは、何もできません。事前にそのためのシステムを内製してあります。
動画を、プログラムのコードとして書く方法があります。 テロップの文字も、図形の動きも、色も、表示する秒数も、すべてをコードで記述する。それを普通のMP4形式の動画ファイルとして出力します。 この仕組みが、Remotionです。ちなみに、Remotionは個人は無料で使えます。
AIは、映像を直接は編集できません。ところが、動画がコードになった瞬間、AIの得意分野になります。 動画を映像としてではなく、最初からコードとして作る。この発想に立てば、この水準の動画はAIで誰でも作れます。
僕が作ったシステムは、Remotionでどう動画を編集するかを、Claude Codeに理解させるためのものです。 Claude Codeと各種のAIサービスが連携して、多段階のステップで動画が編集されています。 僕は起きている間に台本を書き、寝ている間にClaude Codeが動画を作っている、という寸法です。
このシステム自体も、AIを用いたバイブコーディングで作りました。 第二章の質問アプリと、やっていることは同じです。あの時と違うのは、AIの性能が異常に高くなっているだけ。
特に現代において、「資産」とは「純利益」や「預金」だけではありません。 知識も関係も、信頼も、経験も、それらは目に見えないだけで確かな無形資産です。 そして、僕は最初からその資産を作りにいっています。
AIと僕は、好きなだけ知識に触れ、体験し、それを「価値」にまとめて配信しています。このループ自体が資産形成になっている。 そしてみなさんのご視聴を通して、僕は関係の資産も確かに受け取っている。
僕のソロプレナーの働き方はこういった着想から生まれています。
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